大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)588 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人本林譲の上告理由について。

論旨は要するに、被上告人は所論(イ)号記載の方法による擬革製造を実施した

ことがないと主張するに帰し、原判決の事実認定を非難するに過ぎない。

原判決は被上告人が昭和一八年八月二四日にした特許出願の内容と、(イ)号記

載の方法とが実質上同じであることと、被上告人本人訊問の結果とによつて被上告

人が実施して来た事実を認定しているのであつて、その事実認定を違法とすべき理

由はない。

論旨は、仮処分執行当時上告人の発明に必要であつて(イ)号記載の方法には必

要でない過マンガン酸加里曹達、錯酸アルミニユームその他の薬品が存在していた

にかかわらず、原判決が被上告人は(イ)号による方法を実施して来たと認定した

のは経験則に反するというのであるが、かゝる薬品があつたからといつて原判決の

右事実認定のさまたげとなるものではない。

また、被上告人の特許出願が拒絶査定を受けた事実があつても、必ずしも、(イ)

号が特許一五七一九九号の範囲に属するということにはならないから、原審のよう

な認定のさまたげとなるものではない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

- 1 -

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!